著者紹介

株式会社ウェルネスプランニング札幌
代表取締役 小松信隆 氏

小松氏

コンサドーレ札幌 管理栄養士
ノルディーア北海道 栄養アドバイザー
新札幌駅前内科循環器 管理栄養士 
北海道体育協会スポーツ医科学委員会トータルサポート測定事業相談員
道内の各大学・専門学校にて非常勤講師を務める
 ・天使大学(スポーツ栄養学)
 ・日本赤十字北海道看護大学(臨床栄養学)
 ・札幌国際大学(栄養学)
  ・北海道体育大学校(スポーツ栄養学)

第3回 ビタミン・ミネラルとスポーツ

「ビタミン」って何?

 「ビタミンは大事!」ということは良く聞きますが、そもそも「ビタミン」とは何なのか分からない方が多いのではないでしょうか?
 「ビタミン」はたんぱく質や脂質、炭水化物と違い、身体をつくったり、力になることはありません。しかし、身体をつくることを助けてくれたり、力をつくるために必要なものです。
 また、その性質から水に溶けるビタミンと脂に溶けるビタミンに分けられます。

 水に溶けるビタミンは水溶性ビタミンと言われ、B1、B2、B6、Cなどが代表的なものです。
 脂に溶けるビタミンは脂溶性ビタミンと言われ、A、D、E、Kの4つです。 (脂溶性ビタミン”DAKE”覚えると、それ以外のビタミンは水溶性です)
 ここで一つ重要なことがあります。
水溶性ビタミンは摂り過ぎてもすぐに排泄されますが、脂溶性ビタミンは身体に溜まっていきます。

 どちらも大事なビタミンなのですが、脂溶性ビタミンの摂り過ぎは良くないことが起こることもあります。
 食事からビタミンを摂る上では、全く問題ありませんが、サプリメントなどで脂溶性ビタミンを摂る場合には注意が必要なのです。

「ビタミン」の役割

 「ビタミン」と聞くと真っ先に思い浮かべるものは”ビタミンC”ではないでしょうか? テレビのCMなどでも良く見るものが”ビタミンC”ですね。

 飲み物にも”ビタミンC”がたくさん入っているものもありますし、「よっぽど重要なビタミンなんだろうなぁ・・・」と思うことでしょう。
特にアスリートのようにトレーニングや練習で身体に多くのストレスがかかる場合には、重要なビタミンだと言われています。

 実は、もっと重要なビタミンがあるのです!
それは、”ビタミンB1”、”ビタミンB2”、”ビタミンB6”なのです。
◆ビタミンB1は炭水化物の代謝に必要です。
◆ビタミンB2は脂質の代謝に必要です。
◆ビタミンB6はたんぱく質の代謝に必要です。
つまり、ビタミンB1、B2、B6が無ければ、どんなに”炭水化物”や”脂質”があっても、力をつくることはできません!どんなに”たんぱく質”があっても、身体をつくることはできません!
「肉体疲労時の栄養補給・・・」といった栄養ドリンクや、「お母さんやお姉さんの美肌のお供」には全て、このビタミンB1、B2、B6が入っています。
ジュニアアスリートだけではなく、全ての人に重要なビタミンだということです。

更に「ビタミン」は身体でつくることができません。
食事から摂るしか方法が無いのも「ビタミン」の特徴の1つです。

勝つために「ビタミン」をどう食べるか?

 勝つためのエネルギー源である”ごはん(炭水化物)”を食べて試合にのぞんでも、ビタミンB1、B2が無ければ走れません!(脂質は身体にあります)
試合や練習で走るためには、その前に炭水化物と一緒にビタミンB1、B2を食べておかなければなりません。
ビタミンB1は豚肉や大豆に多く含まれる栄養で、ビタミンB2は卵や納豆、色の濃い野菜に多く含まれる栄養です。

 ということは?
”豚丼”や”豚キムチ丼”、”納豆ごはん”などが試合に勝つための食事と言えるのかもしれません。
ちなみに、”ネギ”はビタミンB1の効果を長く持続してくれる働きがあるので、”ネギ多目”でお願いします。(笑)

 また、試合や練習後の身体の回復のために”肉や魚(たんぱく質)”を食べても、ビタミンB6が無ければ回復できないということになります。
ビタミンB6は”魚”や”じゃがいも”、”牛乳”などに多く含まれているので、夕食が魚料理であれば構いませんが、肉料理の場合には”じゃがいも”を使った料理を加えてください。

「清涼飲料水」に注意!

 実はジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクをたくさん飲むと、それを代謝するために大量のビタミンB1が必要になってしまいます!
清涼飲料水には大量の糖分が含まれているため、糖分を代謝するためにビタミンB1が必要になってしまうと言うことです。(お菓子も同じです)
ただでさえ、たくさんの栄養を摂らなければならないジュニアアスリートにとって、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群を食事で十分に補給することは大変なことです。
「清涼飲料水」をたくさん飲むことによって、ビタミンB群の不足に陥ってしまうことも・・・。
清涼飲料水を飲むには注意が必要なのです。

「ミネラル」の役割

 「ミネラル」とは、”カルシウム”や”リン”、”鉄”、”カリウム”、”ナトリウム”などの栄養素のことを言います。
これらの「ミネラル」は”身体をつくる元”になっていたり、”身体の調整”に使われています。

 特に”カルシウム”と言えば”骨”!、”鉄”が足りないと”貧血”!といった情報は、誰もが知っていることと思います。
しかし、”身体の調整”と聞いて、ピンとくる方は少ないのではないでしょうか?

 実はスポーツにとって「ミネラル」はとても重要な栄養素です。
今回はその中でも”カルシウム”と”鉄”を中心に説明します。

ジュニアアスリートにとっての「カルシウム」の役割

”カルシウム”が骨の材料になっていることは、既に皆さんが知っていることと思いますが、実は骨がつくられるためには”カルシウム”の他に、”リン”や”たんぱく質”が必要なのです。(他にもビタミンDや日光も必要です)
その3つの栄養素が絶妙なバランスで入っているものが牛乳や乳製品なのです。
牛乳には”リン”や”たんぱく質”も入っているので”牛乳”が骨に良いと言われているのです。
牛乳の他には、小魚にも”カルシウム”がたくさん入っています。
しかし、残念なことにあまり吸収しません・・・。
結局、”カルシウム”をとりたければ牛乳や乳製品が必須なのです。(牛乳を飲めば飲むほど背が伸びるということはありませんが・・・)
もし、牛乳や乳製品にアレルギーがあるならば、少ししか吸収しませんが、小魚を一生懸命食べることや、”カルシウム”の多い野菜を食べることや、サプリメントに頼るしか方法はないでしょう。

実はアスリートにとって、”カルシウム”にはもう一つ重要な役割があります。
その役割とは”筋肉を動かす”ことです!
”筋肉を動かす”ために”カルシウム”は必須です。
”カルシウム”が足りないと”筋肉を動かす”ことができません。
つまり、走ることや跳ぶことが出来るのは、”カルシウム”のお陰なのです。
(もちろん、力になる栄養である、糖質や脂質も同時に必要です)
既に身体の成長が止まったアスリートには、”筋肉を動かす”ために重要な”カルシウム”は、ジュニアアスリートにとっては最も重要な栄養素の一つと言っても過言ではないでしょう。

「ジュニアアスリート」と「貧血」

実は”アスリートと「貧血」は常に隣り合わせ”と言っても過言ではないのかもしれません。
「貧血」の原因は”鉄”が不足だけではありません。
トレーニングや試合で大量の汗をかくことによって、”鉄”が汗と共に排泄されてしまうことも多くあります。
また、血を作るためには”鉄”だけではなく、”たんぱく質”も必要です。
よほどの偏食が無い限り、”たんぱく質”が足りなくなることは考えにくいのですが、”ごはん”をしっかり食べれずに”糖質”が足りなくなると、”たんぱく質”がエネルギー源になってしまい、血を作る方に”たんぱく質”が使えなくなってしまうことも・・・。

「貧血」になると全身に十分な酸素を運べなくなってしまうので、首を絞められながらバスケットをしていることと同じ状態になってしまうのです。
”鉄”を食べ続けることも、アスリートにとって重要なことなのです。

勝つために「ミネラル」をどう食べるか?

”カルシウム”は牛乳や乳製品です!、しかし、一日に牛乳を1リットルでは多過ぎます。
実は給食の牛乳1パック(200cc)の中にはバター1切分の”あぶら”が入っています。
一日に飲んでも良い牛乳の量は、せいぜい500cc程度でしょう。
しかし、それだけでは”カルシウム”が足りません。
ヨーグルトのように”あぶら”の少ない乳製品も少々、また、野菜をモリモリ食べることでも”カルシウム”をとりましょう。
”鉄”は肉、魚、貝、野菜です!、中でも貝類は比較的多くの”鉄”が入っています。

結局、「ミネラル」を食べるためには、”好き嫌い無く”色々なものを食べることが重要なのでしょう。
”好き嫌いが多い”と強い選手にはなれないということなのです!
ちなみに”ミネラルウォーター”の「ミネラル」は、ほとんど吸収しません・・・。

これまで、栄養の基本を解説してきましたが、次はホルモン分泌との関係を解説します。

乞うご期待!
目指せ!未来のトップリーグプレーヤー!

 

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